後立山(長野) 布引山(2683m)、鹿島槍ヶ岳南峰(2889.2m)、鹿島槍ヶ岳北峰(2842m) 2020年9月21日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 0:35 大谷原−−1:33 西俣出会−−2:55 高千穂平(標識)−−4:08 県境稜線−−4:19 冷池山荘−−4:28 テント場−−5:10 布引山−−5:48 鹿島槍ヶ岳南峰−−6:10 鹿島槍ヶ岳北峰 6:27−−6:50 鹿島槍ヶ岳南峰 9:02 −−9:30 布引山−−9:57 テント場−−10:00 冷池山荘−−10:10 赤岩尾根入口−−10:34 高千穂平(標識)−−11:09 西俣出会(水浴び) 11:16−−11:50 大谷原

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日2020年9月21日 日帰り
天候霧&強風後ほぼ無風、快晴
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場大谷原に駐車場あり。今年は橋を渡った対岸の駐車場も利用可能。それを知らない登山者が多く、こちらの駐車場は地元ナンバーのみ
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば大展望
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コメント天気予報は晴と曇りに二分されたが晴を信じて鹿島槍へ。結果的には晴の予報が当たってガス&冷たい強風の後は無風快晴! 大陸性高気圧に覆われて夜明けの気温は0℃まで下がり、風があって寒かった。4連休中だけあって山頂は大賑わいだったが、相変わらず赤岩尾根の登山者は少なかった




橋を渡った左岸側駐車場の車は私のものだけ ゲート付近の野生動物観察用カメラ。フラッシュが光った
林道終点にコゴメグサあり 標高2330m付近の気温
県境稜線到着。北寄りの風が冷たく寒い! 冷池山荘
テント場。連休中だけあって賑わっていた 布引山
最後の登り 鹿島槍南峰
辛うじてガスはかかっていないが雲が多く展望は良くない
天候回復を期待して時間つぶしに久しぶりに北峰まで足を延ばすことに
北峰へと下り始めるとガスがかかる 鞍部から北峰への登り返し
鞍部南側に僅かに残った雪 イワツメクサはまだ頑張っていた
鹿島槍北峰。ガスで展望無し こちらは倒れた古い標識
気温は0℃。風が強く体感は氷点下 時々ガスが切れるが大半の時間は真っ白で展望無し
シラタマノキの実 ウスユキソウの仲間か?
南峰直下の岩場。凍ったら厄介な場所 南峰に戻ったら無人だった
鹿島槍南峰から見た南〜南西の展望(クリックで拡大)
安曇野側は背の高い雲海。八ヶ岳、南アルプスは微かに見えるのみ 東の雲海で浅間山、四阿山が微かに見えるのみ
浅間山 頚城山塊
立山の左側に白山 一番よく見えたタイミングでの剱岳
一番雲が少なくなった時の立山、剱岳 一番雲が少なくなった時の北側
下山時の鹿島槍南峰。まだ賑わっていた 雲が増えたがまだ好展望が続く
山頂を振り返る 雷鳥親子3羽が登場してくれた
2週間前と同じく季節外れのハクサンイチゲあり 布引山
布引山から見た鹿島槍南峰 ミヤマダイコンソウが紅葉していた
1輪だけ咲き残ったハクサンフウロ これも季節外れのミヤマキンポウゲミヤマキンバイ
テント場。時刻が時刻なのでかなり数が減っている
冷池山荘。久しぶりに賑わう光景を見た 赤岩尾根分岐
ガレ場のトラバースもガスの中 赤岩尾根まで下るとオヤマリンドウは枯れていない
アミヤマアキノキリンソウ ガスの層を抜ける
登山口が見えた 登りで拾った手袋はそのまま
林道終点のここから草藪を突っ切って沢へ 今日の水はかなり冷たかった
堰堤の工事も祝日でお休み 工事をやっていないのでゲートは閉じていた
左岸側駐車場。すべて地元ナンバーの車 右岸側駐車場


・蝶ヶ岳日帰り登山後、中一日をおいて次の山に向かうことに。連休前の天気予報では連休後半は好天続きのはずだったが、直近になって日曜夜から月曜朝にかけての回復具合がイマイチの予報が登場した。私は主に4か所で天気をチェックしているが、2か所では晴、2か所で曇り、しかも雲が厚く1か所では午後から雨の予報。好天予報のサイトでも山頂の展望は悪い=雲がかかるとの情報もあり、どうも怪しげだ。しかし私が最も信頼するサイトでは早朝は雲が多く小雨が来るかもしれないが、午前中から急速に天候が回復する好天予報で、これを信用して時間がかかる鹿島槍に出かけることにした。本当は今年初の白馬岳を考えていたのだが、今年の冬の小雪の影響で大雪渓が危険な状態となり通行止めになってしまい、登るとしたら栂池経由か蓮華温泉経由となり無駄に時間がかかるので今年は諦めることにした。

・私が鹿島槍に登るときはいつも赤岩尾根コースである。ここは柏原新道と比較して距離が短いし帰りの爺ヶ岳への登り返しが割愛できるので短時間で山頂に達することができる。それに人が少ないのがいい。欠点は尾根が急で特に下りでは膝を支える筋力が要求されること、登山口の標高が柏原新道よりも低いので登りはきついことである。利用者は少ないと言っても登山道は毎年手入れされていて状態は普通である。まあ、柏原新道と比較すれば格下であろうが、それは比較対象が悪すぎるだけだ。

・4連休中だが登山口の大谷原駐車場に止まった車は5,6台のみ。前回同様に橋を渡った先にある駐車場の存在を知らない世代が多いようで、そちらに車は皆無であった。日中に木陰になりそうな端に駐車して酒を飲んで寝た。今回は好天を期待して日の出を迎える時刻に山頂に到着するよう出発時間を設定。0時起床0時半出発とした。睡眠時間を確保するために午後6時過ぎに寝た。こんなことができるのは連休中だけだ。通常の週末では早くても午後9時かな。

・目覚ましのアラームで起床、軽く飯を食って出発。上空には僅かに星が見えており、雲は出ているが薄いようで天気は期待できそうだ。ただし、これは稜線から離れた空の状態であり、稜線に雲が絡んでいるかどうかはここからは分からない。こんな谷底でも西寄りの風を感じ、稜線では風の強さが心配になる。気温は+10℃を割り込んでいて最初は寒いくらいだが、林道は緩やかな登りなのでそのうちに体が温まっていつもの半袖短パンに変身した。

・連休中だし夜中なので砂防ダムの工事はやっておらずゲートは閉じていた。LEDライトの明かりで歩き出す。鹿島槍まで5時間ほどかかる予定で、いつもライトに使っている単4ニッケル水素電池では約4時間しか持たないので久しぶりに単3ニッケル水素電池の登場だ。これなら倍以上持つので途中で電池交換の必要はない。

・林道終点=西俣出会で草藪を分けて沢に下って水を汲む。この気温ならほとんど水を飲まないと思うが200ccほど入れておく。結果的には稜線では体感的には寒いくらいでほとんど口を付けなかった。今回初めて気付いたが、林道終点にはコゴメグサが咲いていた。こんな低い場所でもコゴメグサを見たのは初めてだった。高山のものと比較して背が高く15cmくらいあるが、花はまさにコゴメグサ。

・堰堤内のトンネルを抜けて赤岩尾根に取り付く。2日前の蝶ヶ岳の疲労が全く無いわけではないが、予想していたよりは足が動く。でも無理はせずに歩幅を狭めて体力温存で歩くことにする。傾斜がきつくなると発熱量が多くなり、首には濡れタオルを巻いて扇で体を強制風冷。気温が低いので扇の効果は絶大だった。

・上空には相変わらず僅かな星が見えたり見えなくなったりの繰り返し。大きな雲の切れ間は無いようだ。下界の町の光が見えていてまだ雲の下にいるが、問題は雲の高さ。山頂が雲の中でなければいいが。

・高千穂平の標識のある2045m峰、白樺平の標識がある2278m標高点を通過。ここまで上がると風が強まり、時々ガスが流れる。どうも稜線は風が強くガスがかかっているようだ。高千穂平の標識より上部は尾根が狭まりダケカンバの薄い樹林が中心となって展望が開ける場所があり、日中ならば鹿島槍の山頂が見えるのだが、夜間でも晴れていれば稜線のシルエットが浮かび上がる。しかし今はそれが全く見えないのでガスに没しているようだ。まだ天候回復の途上でこれからガスが取れると信じたい。

・県境稜線に出る直前で防寒対策で腕カバーにウィンドブレーカ、長ズボンを履いて、ネックウォーマ、毛糸の帽子、フリースの手袋を着用。気温は既に+3℃まで下がり今シーズンの最低気温。山頂はもっと冷えているだろう。稜線に出たとたんに北西の冷たい風が吹き寄せて体感温度が一気に下がる。ただし、最低鞍部からしばらくは風が当たらない地形を歩くので寒さが和らぐ。おまけにここはガスがかかっておらず、明らかに天候は上向きだろう。まだ周囲は真っ暗だが鹿島槍山頂付近にはガスがかかっているのが分かる。そのガスより下には既に山頂向けて登っている登山者のライトの光あり。

・冷池山荘は既に光が溢れて活動開始。ただし真っ暗な中を歩き始めている登山者は少数だ。テント場も明かりが漏れて活動開始。昨年以前の通常の週末と比較してテントの数は半分程度。おそらくこれが今年設定された予約枠いっぱいなのだろう。

・県境稜線の東側のお花畑から西側へ移ると森林限界を再び越えてハイマツ帯に入り、冷たい北西からの風がもろに吹き付ける。半袖シャツの上は腕カバーに薄いウィンドブレーカだったが、これでは腕が寒いくらいで途中で厚手の長袖シャツを追加した。この格好で登っても暑さを感じないとは真冬並みの体感温度。気温はほぼ0℃だった。

・前方、後方ともいくつかの登山者の光あり。さすが4連休中なので人が多い。急斜面を登り切って布引山山頂に立つと鹿島槍の姿が間近に迫る。僅かにガスを纏うだけで、私が山頂に到着する頃にはガスは消えそうだ。早くも北峰のてっぺんに到着した登山者の光が見えていた。おそらく五龍方面へ縦走する人だろう。

・既に5時間近く歩き続けているが大きな疲労感は無し。蝶ヶ岳から下山して休養に努めた甲斐があった。冷池山荘発の登山者数人を追い越す。ここは最後のきつい登りだ。軽装の1人に追い越された。

・6時前に鹿島槍南峰に到着。山頂にいたのは私を追い越した1人だけで、先行していた他の全員は山頂を越えて五龍方面へと縦走していったようだ。山頂にガスはかかっていないが上空は曇りで東の空も暑い雲に覆われて日の出は見えなかった。北寄りの冷たい風が強めに吹いて寒い! 天気予報では時間経過と共に天候が回復するとのことだったのでしばらく待つことにするが、このまま山頂でじっとしているには寒すぎるので久しぶりに北峰に足を延ばすことにした。これで追加で1時間ほど運動を継続することになるので、その間に天候が回復することを期待しよう。

・南峰から鞍部へ下るルートは凍ると厄介な場所があるが、まだ雪が皆無なこの時期は安全に通過可能。もったいないほど高度を下げると南峰はガスが流れ出した。あれ? 天候は下り坂か? いや、真っ暗闇からの天候の推移を考えれば大きな流れとしては回復傾向で、これは一時的なものだろう。

・長野市内からもはっきりと見える吊尾根を歩くのは久しぶりだが意外と記憶に残っている。最低鞍部南側には僅かに雪が残っていた。

・縦走路は北峰を巻いてしまうが爺ヶ岳中峰と同じように北峰に上がる登山道があるのでそちらを登る。爺ヶ岳中峰よりは標高差があるので登り応えあり。残念ながらガスはますます濃くなって周囲は真っ白で展望皆無になってしまった。

・久しぶりの鹿島槍北峰に立つ。古い標識は地面に倒れているが、それと同じ黄色の新たな標識が立っていた。東尾根に間違って下らないように×が書かれた石が置かれているのは以前と変わらない。冷たい風を避けるために僅かに東尾根を進んでその西側のハイマツを風除けにして休憩。さすがに5時間以上歩いて腹が減ったので朝飯を食う。気温は0℃、ガスはまだ凍っていないが濡れた枯草やハイマツで衣類が濡れる。これならもう少し寒くなって凍っていた方がマシかも。休憩前に持ってきた防寒装備をすべて着込むと寒さが和らぐ。

・休憩中に数人が北峰に上がってきた。私のように南峰から往復の人もいれば、キレット方面へ縦走する人や、逆にキレット小屋から上がってきた登山者の姿もあった。到着時は濃いガスに覆われていたが徐々にガスが切れて南峰が姿を見せるようになった。

・寒いので長時間の休憩はせずに南峰に戻る。防寒装備を着たままで登り返しは暑くなるかと思いきや、体が十分に温まる前に到着した。南峰直下ではトレラン姿で下ってくる3人組とすれ違う。あの格好で風に吹かれるのは寒かろう。

・鹿島槍南峰に戻ると意外にも無人であった。まだ時刻は7時前なので、冷池山荘を明るくなってから出発した登山者が到着するのはこれからであろう。それに種池山荘発の登山者も。登山者は日が高くなってからの方が多かった。

・天候は予報通り日が高くなってから大きく回復し、頭上を覆っていた雲は取れてすっきりと晴れ渡った。しかし東や南の空は雲が覆ったままだ。これは南の熱帯低気圧の影響で、天気予報では関東は雨だったはず。残念ながら八ヶ岳や南アルプスは見えなかった。志賀高原の山々も霞んでしまい、見えたのは四阿山と浅間山。浅間山は煙(水蒸気)がまっすぐ上がっているのが見えた。最初は風が強かったのに北峰から戻ってきてから急速に風が弱まった。

・立山、剱岳、剱岳北方稜線方面は雲が多く、すっきりと全体像が見えることはなかったが、山頂付近は常に雲の上に出ていた。立山より南側は晴渡り、薬師岳、赤牛岳、水晶岳、そして裏銀座の山々、槍〜穂高、そして常念山脈と良く見えていた。2日前の蝶ヶ岳はここからでは常念岳の裏側になって見えない。その常念岳は大天井岳と同じく左肩下がりの相似形に見える。

・天候が回復して名残惜しいが9時に下山開始。まだまだ山頂へと向かう登山者とすれ違う。稜線はすっかり秋模様でウラシマツツジやミヤマダイコンソウの葉は真赤で、大半の草は枯れて黄色くなっている。残った花はイワツメクサくらいで、トウヤクリンドウも既に枯れていた。2週間前にも見た咲き残りのハクサンイチゲはまだあった。なぜこんな時期まで残っているのか不思議だ。

・天気がいいのに雷鳥に遭遇できた。登山道の途中で人が立ち止まって登山道脇を見ている時は雷鳥がいるサイン。常念岳の雷鳥と同じく子は2羽が生き残っていた。

・布引山を通過して急激に高度を落として一時的に森林限界を割って登山道が稜線の東へ移ると1輪だけ咲いたハクサンフウロを発見。こんな時期なのに花を付けたミヤマキンバイが狭い範囲にいくつか見られたが地形的な影響か?

・帰りのテント場のテントはかなり数が減っていた。残っているのは鹿島槍を往復している人か、今日ここに到着した人だろう。残念ながら周囲はガスに覆われていたが、天気予報では雨にはなっていなかったので大丈夫だろう。

・賑わう冷池山荘前を通過、登り返して赤岩尾根分岐を通過。直後に登りの単独男性とすれ違う。赤岩尾根ですれ違ったのはこの1名のみで柏原新道とは大違い。赤岩尾根は上部は雲海に覆われて天然ミスト状態で涼しい! 時々ガスが切れて日が差すと暑い! 両極端だ。でも真夏とは違って高度が落ちても極端に気温が上がることはなく、大汗をかかされることはなかった。西俣出会近くまで下って単独女性を追い越した。

・堰堤内トンネルを抜けて対岸に渡ってから水浴び。頭上は雲海の雲に覆われて山頂は見えない。風があることもあって残りの林道歩きは十分に涼しく、首の濡れタオルは途中からお役御免。

・大谷原に戻ると私が駐車した場所に止めてある車は私を含めて全て長野県内ナンバー。県外の車は全て橋を渡る手前の駐車場だった。出発時より車は10台強増えていた。

 

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